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  1. 人の幸せを喜べない心理とは?素直に喜べる人になりたいと思ったら

人の幸せを喜べない心理とは?素直に喜べる人になりたいと思ったら

更新日 2023.09.27
自身の性格・能力
うららか相談室

友達が結婚したり妊娠したり、同僚が出世したりといった報告を聞いても、他人の幸せを素直に喜べず、自分は性格が悪いのかもしれないと考えたことはありませんか。友達の幸せを喜べないなんて、病気なのではないかと感じたり、罪悪感を抱いたりする人も少なくありません。では、他人の幸せを喜べないのはどのような心理状態なのでしょうか。また、他人の幸せを喜べる人になりたいと思ったら、何をすればいいのでしょうか。

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目次

- 人の幸せを喜べないのは多くの人が経験すること

- 人の幸せを喜べない心理

- シャーデンフロイデとは

- 人の幸せを喜べる人になりたいと思ったら

- まとめ

人の幸せを喜べないのは多くの人が経験すること


「他人の幸せを素直に喜べない」「幸せな人を見るとイライラする」といったことで、自分は性格が悪いのではないかと思う人もいるようです。しかし、この「他人の幸せを喜べない」という心理状態は多くの人が経験することです。

ニュースサイトしらべぇの調査(※)によると、人の幸せを心から喜べないときがある人は男性で41.9%、女性で46.2%程度もいるという結果が出ています。

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人の幸せを喜べない心理


では、他人の幸せを喜べないのはどのような心理状態なのでしょうか。

友達に恋人ができたことや、結婚、妊娠、仕事の成功、出世、年収が上がったこと…などといった、身近な人の「世間的には喜ばしいこととされている」ような報告を聞いても素直に喜べないのは、人間にとって自然な感情である「妬(ねた)み」の影響が大きいと考えられます。


妬みとは、他人が自分よりも有利な状況にあると知ることで引き起こされる感情のことをいい、次のような特徴があります。

  1. 妬みは、自分と心理的に近い他人に対して抱きやすい
  2. 妬みは、自分にとって重要なことに対して抱きやすい

この特徴を当てはめてみると、知らない他人の幸せではなく友達の幸せを喜べないことも、独身の人が他人の結婚や妊娠を喜びにくくなることも、妬みを抱きやすくなるからと考えることができるでしょう。


ちなみに「妬み」と近い意味で「羨望」「うらやましい」という言葉があります。「妬み」にはネガティブな印象があり、人前であまり使う言葉ではありませんよね。それに対して、「うらやましい」という言葉は日常的に使われ、ネガティブな印象も少ないのではないでしょうか。しかし、少し言葉遊びのようになりますが、実は「妬み」も「うらやましい」も英語で同じ”envy”という一語で表すことができます。不思議ですが、「妬み」は「うらやましい」と表裏一体の自然な心理状態であるかもしれません。

シャーデンフロイデとは

シャーデンフロイデとは、「他人の不幸を喜ぶ」ことを意味するドイツ語で、英語圏でもそのまま”Schadenfreude”と表されます。他人の幸せを喜べないことよりも、他人の不幸を喜ぶことのほうがネガティブなイメージを持つのではないでしょうか。

シャーデンフロイデには次のような特徴があります。

  1. その他人の不幸に、それ相応の理由があると思われる
  2. その他人の不幸が、あまり深刻なものではない

そして、この2つの特徴が先述の「妬み」と関連しているという指摘があります。

また、シャーデンフロイデは「ざまあみろ」という表現に代表され、例えば成績のいい生徒がテストで悪い点を取ったときに「いい気味だ」と感じるように、子どもの頃から抱く感情であることが分かっています。

他人の幸せを喜べないだけでなく、他人の不幸を喜ぶ自分が嫌だと感じる人は、どちらの感情も自然なものであることを、まずは知っておくといいでしょう。

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人の幸せを喜べる人になりたいと思ったら

人の幸せを喜べないことが、たとえ自然な感情であったとしても、他人の幸せを喜べる人になりたいと感じる人は多いでしょう。では、他人の幸せを素直に喜べるようになるためには、どうすればいいでしょうか。


  • 他人の幸せを喜べない気持ちをまずは受け止める

まずは、他人の幸せを喜べないという気持ちを受け止めるようにしましょう。他人の幸せを素直に喜べないのは自然な感情だからこそ、「喜びたいと思っているけど、今は喜べていない」ということを無意識に抑え込まないようにします。

他人の幸せを喜べないのは、相手よりも自分が劣っていると感じることの影響が大きいですが、劣等感から目を逸らすと「コンプレックス」や「自己嫌悪」というネガティブな状態に陥りやすくなります。


  • 自分にとっての幸せが何か考える

他人の幸せを喜べない自分の状態に気がついたときには、「自分にとっての幸せは何か」ということを考えてみましょう。自分の能力などがコンプレックスになっている状態では、「自分はどうせ劣っているままだ」といった諦めの気持ちを抱えていることが多いため、自分が幸せになる姿を考えづらくなっているはずです。

その際、理想と現実のギャップに落胆しないよう「自分にとっての幸せ」はあくまで実現可能なことをイメージするといいでしょう。


  • 悔しさをバネにする

幸せな人を見たときに抱える劣等感を受け入れることで、例えば「自分も頑張りたい」といったポジティブな感情が芽生えやすくなります。このような感情は、よく「悔しさをバネにする」と表現されます。

また、目標に向かって努力しているときは、周りの人のことが気になりにくくなります。自分にとっての幸せが少しずつイメージできるようになってきたら、悔しい気持ちをエネルギーに換えて、仕事や他の活動に取り組んでみましょう。


  • 他人と自分を比べない

他人の幸せを喜べない自分が嫌になる原因として、そもそも他人と自分を比べてしまうことが挙げられます。自分からわざわざ他人の恋愛や家庭事情などを詮索しないことで、他人と自分を比べる機会が減るでしょう。どうしても他人と自分を比べてしまって自己嫌悪に陥ってしまう人は、わざわざ知る必要のない他人の情報を減らすことで、自分の状態を受け入れる余裕が生まれるかもしれません。


  • 心が疲れているときは休む

劣等感を受け入れられないのは、そうすることで様々なストレスに対処しているからとも考えられます。仕事や家事でいつも忙しい人は、睡眠時間や趣味の時間を確保するなどして、ストレスを減らすようにしましょう。ストレスの大きな状態で無理に劣等感を受け入れようとすると、心や体、行動に問題(不適応)が生じる場合があります。


  • 誰かに話を聞いてもらう

他人の幸せを喜べない自分が嫌になることがあるかもしれません。そんなときは、誰かに話を聞いてもらうのもおすすめです。

まず、自分の内に閉じ込めていた「もやもやした気持ち」を話すことで、気分がすっきりして、ストレスを減らす効果があるといわれています。また、誰かに自分の気持ちを話すことは、自分の状態を受け入れることにも繋がります。

カウンセリングでは、「他人の幸せを喜べない」ことの根底にある原因や、「他人の幸せを喜べる人」を目指す方法について、カウンセラーと一緒に考えていきます。うららか相談室では、ビデオ・電話・メッセージ・対面形式で、臨床心理士などのカウンセラーに悩みを相談することができます。

まとめ

他人の幸せを喜べないことで自分の性格が悪いように感じられ、落ち込んだり不安になったりすることがあるでしょう。しかし、そうした「妬み」は人間にとって自然な感情であるので、他人の幸せを素直に喜べないのは決して悪いことではありません。他人の幸せを喜べる人になりたいと思ったら、「自分にとっての幸せは何か」ということを少しずつ考えて、悔しさをバネにできるようになるといいでしょう。自分の内面、例えばコンプレックスや自己嫌悪といった状態と向き合いたいという人は、カウンセリングを活用するのもおすすめです。

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※調査期間:2018年3月23日~2018年3月27日、対象:全国20~60代の男女1,361名、調査方法: インターネットリサーチ「Qzoo」、調査主体:ニュースサイトしらべぇ

https://sirabee.com/2018/06/16/20161619751/


<参考文献>

澤田 匡人, 妬みの発達, 心理学評論, 2010, 53 巻, 1 号, p. 110-123

澤田 匡人, シャーデンフロイデの喚起に及ぼす妬み感情と特性要因の影響, 感情心理学研究, 2008, 16 巻, 1 号, p. 36-48

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このコラムを書いた人
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