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  1. 寝ても寝ても眠い原因・対処法、ストレスやうつ病との関係について

寝ても寝ても眠い原因・対処法、ストレスやうつ病との関係について

睡眠時間は足りているはずなのに昼間強い眠気に襲われる、そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。眠気があると、思うように仕事や学業、家事などに集中できず、生活に支障をきたすことにもなりかねません。

この眠気をどうにかしたいという方のために、この記事では、寝ても寝ても眠いのはなぜなのか、その原因や病気の可能性、対処法などについてまとめました。より良い睡眠と生活改善の参考にしていただければ幸いです。

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睡眠の悩みのカウンセリング

目次

- 寝ても寝ても眠い原因

- 寝ても寝ても眠いのは病気?

- 寝ても寝ても眠い悩みの対処法

- おわりに

寝ても寝ても眠い原因


なぜ寝ても寝ても眠いのか、まずは寝ているはずなのに眠い原因として考えられるものをいくつか挙げていきます。


・実質的な睡眠不足

日本の平均睡眠時間は7時間22分で、これは世界的に見てもかなり短時間だとされています。また、令和元年におこなわれた厚生労働省の調査によると、男性の37.5%、女性の40.6%の人たちが、1日の平均睡眠時間が6時間未満という結果となっており、日本人の睡眠不足は深刻な問題とも言えます。

しかし、日本では睡眠をあまり重要視しない風潮もあってか、6時間未満の睡眠でも睡眠不足という自覚を持っていない人もいるのではないでしょうか。

適切な睡眠時間は、成人では6~8時間、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間とされています。自分ではちゃんと寝ていると思っていても、そもそも本来必要な睡眠時間を満たしていないため、眠気が出てくる人も多いと考えられます。


・自分に必要な睡眠時間を確保できていない

適切な睡眠時間は成人で6~8時間とお伝えしましたが、個人差もあるため、日中の眠気と睡眠時間とのバランスを取りながら自分にとってちょうどいい睡眠時間を見極めていく必要があります。

6時間以上しっかり寝ているはずなのに眠い人は、自分に適した睡眠時間には至っていないのかもしれません。


・睡眠の質の問題

質の良い睡眠が取れていない場合は、眠っている時間自体は充分なようでも、日中に眠い、身体がだるい等の状態になることはよくあります。

睡眠の質を低下させる要因としては、以下のようなものがあります。


☑過度の飲酒や喫煙、カフェインの摂取

☑照明が明るい、騒音、気温など環境の問題

☑ストレス

☑加齢


思い当たる要因がある方は、睡眠の質を意識すると良いでしょう。

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寝ても寝ても眠いのは病気?

「寝ているはずなのに眠いのは何かの病気なのではないか」と、不安になる方もいるかもしれません。病気や身体的な問題からくる眠気には、どのようなものがあるのでしょうか。


・睡眠時無呼吸症候群

眠っている間に呼吸が繰り返し止まる状態を、睡眠時無呼吸症候群といいます。無呼吸によって熟睡が妨げられるため、眠りが浅くなり、睡眠時間は足りているはずなのに日中眠い、だるい等の症状が出てきます。

また、無呼吸によって血中の酸素濃度が低下する影響で、心臓や脳などに負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクにも繋がるため、眠気や倦怠感がある場合、家族や周囲の人にいびきを指摘された場合は、早めに受診すると良いでしょう。


・ナルコレプシーなどを含む過眠症

過眠症は、日中に強い眠気を覚える代表的な病気と言えます。睡眠時無呼吸症候群などの病気や睡眠不足がないにもかかわらず、日中に強い眠気が表れます。過眠症には、以下のような病気が含まれます。


【ナルコレプシー】

抗いがたい強い眠気と、食事中や歩いているとき、会話の途中など通常は考えにくい場面でも突然眠りに入ってしまう睡眠発作が主な症状です。短時間で目覚め、その後はすっきりした感覚があるのもナルコレプシーの特徴と言われています。10代での発症が多いとされています。


【特発性過眠症】

日中の強い眠気と居眠りが主症状ですが、ナルコレプシーと比べて居眠りの時間が長めであることと、目覚め後のすっきりした感覚があまりないことが特徴です。10代~20代の若年層に発症することが多いとされています。


【クライネ-レビン症候群(反復性過眠症・周期性傾眠症)】

強い眠気が表れる時期が3日~3週間ほど続き、その期間が年に数回ほど繰り返し現れるのが特徴です。稀な病気で、10代の発症が多いと言われています。


・抑うつ状態、うつ病

うつ病や抑うつ状態の時に現れる症状のひとつに、「不眠または過眠」があります。抑うつ傾向にある時期やうつ病では、睡眠時間自体が長くなったり、夜眠っているはずなのに昼間にも眠気が出てきたりすることは、珍しくありません。

眠気以外にも、気分の落ち込みや意欲の減退、体調不良などの症状が2週間ほど続いている場合は、早めに専門家に相談すると良いでしょう。


・月経前症候群(PMS)

女性の場合、ホルモンバランスの変化によって眠気が強まることがあります。月経前症候群(PMS)や更年期障害には非常に様々な症状がありますが、眠気もそのうちの一つです。

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寝ても寝ても眠い悩みの対処法


ここからは、たくさん寝ているはずなのに眠いお悩みへの対処法を見ていきましょう。


・睡眠時間を増やし生活習慣を見直す

よく寝ているつもりでも昼間ねむい場合は、本来自分に必要な睡眠時間が足りていない可能性もじゅうぶんあります。まずは睡眠時間を増やしてみて、昼間の眠気が改善するか試してみると良いでしょう。

また、軽い運動や食事、ストレス解消など、昼間の生活習慣を見直すことも大切な対策と言えます。


・朝は光を浴び、夜は暗めの環境で過ごす

睡眠は光によって強い影響を受けます。朝日を浴びて体内時計(「概日リズム」「サーカディアンリズム」ともいいます)をリセットし、夜はあまり明るい光を浴びないようにすることで、スムーズな入眠や質の良い睡眠につながります。夜は明るさ控えめの照明にして、寝る前にスマホやパソコン、テレビなどを見ないようにすると良いでしょう。


・昼寝はしない、または長くても30分程度におさめる

昼間に眠気に襲われたとき、横になって昼寝をしたくなることも多々あることと思います。しかし、昼寝は夜の睡眠に影響してしまうので、できるだけしない方が良いです。昼寝をする場合は午後3時頃まで、長くても30分以内とし、それ以上長い睡眠や夕方以降の昼寝は控えることをおすすめします。


・カフェインを含むものは控える

昼間のどうしようもない眠気を解消するために適量のカフェインを摂取する分には問題ないのですが、カフェインの量や摂取する時間帯によっては夜の睡眠の邪魔をしてしまうことがあります。

夜にぐっすり眠って昼間の眠気を解消するためにも、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなど多くのカフェインを含むものは控えて、できれば午後からは摂取しないようにしましょう。


・寝るためのアルコール摂取は控える

アルコールが眠気を誘発することがありますが、眠るためにアルコールを飲むのは控えましょう。アルコールによって深い眠りが妨げられ、結果的に昼間の眠気につながることがあります。


・寝る前の喫煙は控える

喫煙も、ニコチンなどの刺激物質によって質の良い睡眠を遠ざけます。禁煙が理想的ですが、難しい場合はできるだけ夜は喫煙を控えるようにしましょう。


・病気かもしれないと思ったら受診を

上記の対策を続けても改善が見られない場合や、自分の意思ではどうしようもないほどの眠気に襲われたり、眠気以外にもお困りの症状があるときは、何らかの病気が隠れているかもしれません。その場合は、病院の受診や専門家に相談することをおすすめします。


・カウンセリングでできること

受診が必要かどうか自分では判断しかねるというとき、カウンセリングを活用してみるのも良いでしょう。カウンセラーと相談し合ったうえで、受診に関する助言を得ることも可能です。

また、寝ても寝ても眠い要因や望ましい対策をカウンセリングの中で探っていったり、より良い睡眠のために必要なことは分かっているのに自分だけでは実践できない場合に、カウンセラーと一緒にどうしたらいいのかを考えたりすることも可能です。

おわりに

じゅうぶんな眠りは心身の健康の基本ですが、私たちの生活には理想的な睡眠を妨げてしまう要因がたくさんあります。寝ても寝ても眠い日々が続く場合、何がそうさせているのかを見極め、適切な対策をすることで心も身体も良い状態を目指すことができます。

日中の眠気でお困りの方は、この記事を参考に対策を講じ、改善しなければお早めに専門家に相談してみましょう。

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【参考】

・公益財団法人結核予防会 https://www.ichiken.org/blog/2444-20240105/

・健康づくりのための睡眠ガイド2023 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

睡眠の悩みのカウンセリング
このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験されてきたカウンセラーさんです。親子関係・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意とされています。
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