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  1. 思い込みが激しい人の原因、特徴は?直し方と病気の可能性について

思い込みが激しい人の原因、特徴は?直し方と病気の可能性について

辛い気持ちになったり人間関係が難しくなったりする理由は様々ですが、思い込みの激しい性格もその一因です。ネガティブな気持ちになりやすかったり、なぜか周囲の人たちとうまくいかないことでお悩みの方は、もしかしたら思い込みの激しさがそうさせているのかもしれません。

思い当たるところがある方や、人から「思い込みが激しい」と指摘されたことがある方は、少しだけ思い込みを緩めてみると楽になれる可能性があります。そのためにはどうしたらいいのか、特徴や原因とともにご紹介していきます。

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思い込みが激しい性格のカウンセリング

目次

- 思い込みが激しい人の特徴

- 思い込みが激しい原因は?

- 思い込みが激しいのは病気?

- 思い込みが激しい性格の直し方

- おわりに

思い込みが激しい人の特徴


思い込みが激しい人の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。


・頑固で人の意見を受け入れにくい

「思い込みが激しい」とは、自分の価値観をとても強く反映した物事の捉え方とも言い換えられます。他者の行動や言葉、出来事、現象、自分自身などあらゆる物事を自分の物差しで捉え、そこから視点を動かすのが難しいのが、思い込みが激しい人の大きな特徴です。

自分の考え方が正しいと思いがちであるため、自分の捉え方に疑いを挟むことも少なく、他者の意見を受け入れない傾向があります。そのため、周囲からはとても頑固な人に見えることも少なくありません。


・視野が狭く極端な認知になりがち

自分の考えが正しいと思いがちなゆえ、それ以外の見方や考えがあることを想像せず、ひとつの自分なりの考えに固執してしまうことも多いです。したがって、思い込みが激しい人は視野が狭い傾向もあると言えます。

視野が狭いと、認識・理解・納得できる範囲が狭いということなので、どうしても白黒はっきりしないと心地が悪く、極端な認知に陥りがちです。たとえば、他者から異なる意見や別視点の助言を受けたとき、自分を否定されたと感じたり、急に相手の意見の方だけが正解だと手のひらを返したような捉え方になったりすることがあります。


・感情の振り幅が大きく人間関係が不安定になりやすい

別の意見やアドバイスを受けたとき自分を否定されたと感じると、それが怒りや不満、自分はダメだという感情に変わったり、相手を卑下してしまったり、逆に同じ意見を表明した人を過剰に評価したりと、感情の振り幅が大きいのも思い込みが激しい人の特徴です。

また、周囲の人の気持ちや考えを確認もせず決めつけて、「そうに違いない」と思い込んでしまうことも多く、対人ストレスを感じやすく、安定した人間関係を保ちづらい傾向もあります。

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思い込みが激しい原因は?

思い込みの激しい性格には、思い込んだら一直線に夢や目標に進んでいける利点もありますが、前章でお伝えしたような心労や周囲との軋轢もあり得ます。では、なぜ思い込みが激しくなったのか、考えられる原因を見ていきましょう。


・経験が不充分

人は様々な経験を通していろんな人や価値観があることを知っていく部分も大きいため、経験不足が思い込みの強さの原因になることがあります。したがって、年齢が若ければその分思込みが強いのは自然なことですが、年齢にかかわらず、幅広い経験が少ない人は思い込みが強いままになるのもまた、不思議なことではありません。


・視野を広げづらい環境

思い込みの強い極端な思考パターンの親に育てられた、話し合って決める文化のない家庭で育った、交友関係が似たような人に限られていたなど、別の捉え方もあるのだと気づくのが難しい環境に長くいることも、思い込みが激しくなってしまう要因となります。

また、安心して過ごすことが難しく、他者を信用できない環境で育つと、何があっても自分でどうにかしなくてはならないという思いが強まるため、人の助言を信じたり受け入れたりすることが難しくなります。

こういった環境によって、思い込みの激しさが形成され強化されていくことは珍しくありません。


・成功体験が原因になることも

学校の勉強やスポーツなどで好成績を残したり、特に困ることがない人生を歩んできたりと、何らかの成功体験とも言えるような経緯があると、視野を広げる必要性を感じる機会自体が少なく、自分の経験を重視した思い込みを持ったままになることもあり得ます。

思い込みが激しいのは病気?

思い込みが激し過ぎて自分や周囲が困る場合、もしかしたら病気が原因なのではないかと不安になることもあるかもしれません。病気が原因で思い込みが激しくなることはあるのでしょうか。


・統合失調症の症状としての妄想

統合失調症の主要な症状のひとつに、「妄想」が挙げられます。自分でも現実ではないと分かりながら非現実的な想像をするような、一般的な用語として使われる「妄想」とは異なり、統合失調症の妄想は、他者からは到底あり得ないと思われる内容でも非常に強固に思いこみます。他者が否定や説得をしても聞き入れません。

思い込みが激し過ぎること以外にも、思考にまとまりがなく支離滅裂なことを言う、意欲がなくなるなどの症状がみられる場合は、統合失調症の可能性があります。その場合は、早期に医療につながることが大切です。


・発達障害の特性が思い込みの激しさにつながることも

発達障害のいくつかの特性が、周囲からは思い込みが激しいように見えることもあります。

たとえば、ADHD(注意欠如・多動症)の場合、注意散漫な特性から情報や人の話を断片的に捉え、それが衝動性という特質によって咄嗟に言動に反映されてしまうところが、思い込みの激しさとして表れることは多々あります。

また、ASD(自閉スペクトラム症)では、特定の思考パターンやこだわりによって、柔軟に視点や考えを変化させることが難しい特性があります。そういった非常に思い込みが激しいところが、周囲との軋轢を招いたり本人の強いストレスになったりすることがあります。

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思い込みが激しい性格の直し方


思い込みの激しさを直していくには、どのような方法があるのでしょうか。


・思い込みが激しいことを自覚する

まずは、自分の思込みの激しさを自覚することが大切です。人から指摘されてもなかなかすぐに受け入れられない場合もあるかと思いますが、指摘されたことがある、または、直接言われたことはないけれど元々人間関係に苦手意識や不安がある人は、「もしかしたら自分には思い込みが激しいところがあるのかもしれない」と考えてみるだけでも、改善への一歩が踏み出せるはずです。


・周囲の意見を意識的に聞いてみる

思い込みの激しさが「自分は正しい」という観念に繋がり、それがさらに思い込みの激しさを強めてしまうため、この流れをどこかで断つのも大切なことです。自分の意見は持ちつつも、いったん周りの人の意見も聞いてみて、完全に賛成できなくてもいいから一部取り入れてみるという試みを意識的にしていくと良いでしょう。

周囲の意見を取り入れてみても思ったほど困ることにはならない、むしろ意外なメリットがあった、という実体験を積みかさねることで、思い込みを緩めていくことが期待できます。


・考えの根拠となる事実を挙げてみる

「絶対こうだ」と思っていることについて、その根拠となる客観的事実を挙げてみるのも、思い込みを修正する有効な手段です。

たとえば、「あの人は私を嫌っているに違いない」と思える場合、本当に嫌われていることが確定できる客観的事実(嫌いだと直接言われた、そう言っているのを伝聞した等)があるか考えてみます。ない場合、なぜ嫌われていると思うのか(私にだけ冷たい、挨拶を無視された等)を挙げて、それは本当に嫌われていることの証明になるのか改めて考えてみます。もしかしたら、体調が悪かった、挨拶が聞こえなかった、たまたま別のことで機嫌が悪かったなど、相手側の要因なのかもしれません。

自分の思い込みを否定するのはしんどいことでもあるので、「でもやっぱり私を嫌っているはずだ」と思えてしまうこともあるでしょう。ただ、それが確認できる客観的な現実があるわけではないならば、「根拠や証拠が見つかるまでは本当のところは分からない」にとどめておくと、少し思い込みを和らげることができます。


・悩みや現実的な問題に目を向ける

いったん思い込んでしまうと、その考えに自ら疑問を呈するのは難しくなってしまうものですが、その考えが単なる思い込みであっても、それで誰も困らないなら問題はないと言えます。

一方で、その思い込みで自分や周囲が困っているなら、その考えが正しいかどうかは置いておいて、別の考えを取り入れてみる意味はあります。自分の考えが正しいかどうかよりも、この考えによって自分や周囲が困っていないか、悩みにつながっていないかを点検するような気持ちで考えてみると、別の視点を持ちやすくなります。


・病気や障害が疑われる場合は医師やカウンセラーに相談を

思い込みが強い原因として、先に挙げたような障害や病気があるかもしれないと感じたときは、自己判断はせず医師やカウンセラーに相談することをおすすめします。

診断に基づき、治療や対処法を一緒に探り実践していくことができます。

おわりに

思い込みが激しいことで、自分で自分の世界を狭めてしまうこともあり得ます。なんだか息苦しい、周囲にあまり理解されないなど、何らかのしんどさを抱えているならば、思い込みの激しさを疑ってみてもいいのかもしれません。

思い込みが激しい傾向があるかもしれないと気づくことができたら、そこから変わっていくことは充分可能です。周囲の方々にも相談したり協力を得たりしながら思い込みを軽減して、自分も周囲も楽にしていけるといいですね。

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思い込みが激しい性格のカウンセリング
このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
心療内科や児童相談センター、学校、被害者支援施設など、多くの現場で相談や心理検査を経験されてきたカウンセラーさんです。親子関係・夫婦関係・子育て・発達障害・ハラスメントやDV被害など様々な相談を得意とされています。
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