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新型コロナウイルスによるストレスや不安。「コロナ疲れ」への対処法

健康・メンタルヘルス・気分
臨床心理士・公認心理師:酒井 祥子
2020.04.03

令和2年を迎えてから、いつの間にか、新型コロナウイルスの話題ばかりになっていますね。

世界的な広がりを見せているコロナウイルスは、感染する脅威だけでなく、心理的な影響も計り知れません。

自分や家族が感染する不安や、自宅に篭りきりになることによるストレスはもちろん、刻々と状況が変わる中で、1日に何度もテレビやネットの情報を見てしまい、心が消耗していると感じている方も多いのではないでしょうか。

海外では、精神科において、コロナ疲れによる相談件数が増大しているという話もあります。

この記事を見てくださっている皆さんも、コロナ疲れにより心が疲弊し、ストレスが溜まっているのではないでしょうか。


そこで今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるストレス・不安を軽減する対処法を臨床心理士の観点からお伝えします。皆さんのコロナ疲れが少しでも軽減できれば幸いです。

目次

- こんな症状はありませんか?

- 新型コロナウイルス対応によるストレスの対処法

- カウンセリングの活用について

- 子どもへの対処

- まとめ

- 有用な新型コロナウイルス関連のリンク


こんな症状はありませんか?

ストレスフルな状態が続くと、体調面や心理面にいろいろな症状として表れます。今回の新型コロナウイルスによるストレスも例外ではありません。

これは誰にでも起こりえることですが、人によって表れ方は様々です。


例えば、次のような症状はありませんか?


<体調面の症状>

◆寝付けない、眠りが浅い、すっきり起きられない、疲れが取れない、体がだるい、頭が重い、肩が凝る、食欲がない、食べ過ぎる


<心理面の症状>

◆不安感や緊張感が続いている、些細なことでイライラする、落ち着かない、気分が落ち込む、集中しにくい、悲観的になる


こういった症状が見られたら、次に紹介する対処法を試してみてください。


新型コロナウイルス対応によるストレスの対処法


ストレス対処法として、すぐにできる5つの方法をご紹介します。


1. 情報の取り入れ方を工夫する


・情報に振り回されない

新型コロナウイルスに関しては、わからないことだらけなので、誰もが不安になり、不安に対処するために情報を入手したくなります。情報を得ることも大事ですが、今の段階では不確かなことがほとんどです。

情報過多になっているなと感じたら、一度情報を入れることをやめてみましょう。


・情報の表現や見せ方に注意!

テレビやネットでは、一部の情報を切り取って報道したり、視覚的にインパクトのある見せ方をすることもあります。その数字や映像にとらわれすぎないようにしましょう。


・情報を制限する

目と耳と両方からの刺激は強烈です。難しい専門用語をたくさん浴び続けると、自分の中で消化できないまま、気づかないうちに蓄積され、心も疲弊してしまいます。テレビやネットを見る時間を決めましょう。



2. 誰かと共有する

不安な気持ちをひとりで抱えず、身近な人に話したり聞いてもらったりしましょう。

家にいても、オンライン通話アプリ(LINEやzoomなど)を使って、気軽に安全に話すことができます。

また、ひとりで考えていると悪い方向に考えがちですから、そういった点でも他の人の話を聞く機会を持つことは精神衛生上、好ましいことです。



3. 適度に体を動かす

外に出て散歩する以外に、窓や玄関のドアを開けて外の空気を吸うだけでも気分が変わります。

調理や洗濯なども、意外に体のいろいろな部分を使っているものです。ふだんの何気ない動作に、どこの筋肉を使っているか発見があるはずです。家事をすることで、新型コロナウイルスから頭を切り替えることもできます。



4. 自分の楽しいと思えること、リラックスできることをする

趣味でなくても、楽しいと思えたり、リラックスできることを探してみましょう。

とりあえず音楽を1曲だけ聴いてみる、保存してある写真を眺める、本や雑誌を読んでみるのもいいですよ。



5. 日常のルーティンを大切にする

在宅勤務や休校が続くと、ついつい、着替えるのが面倒になってしまい、気づくと、寝間着なのか部屋着なのかわからない服装で過ごしている、そんなことありませんか?

朝起きたら着替える、顔を洗う、朝食を食べる、家事をするなど、日頃のルーティンを継続することは心理的な安定にも貢献します。就寝時間にも気を付けて、睡眠を十分に取れるよう心がけましょう。


カウンセリングの活用について

不安やストレスを一人で抱え込むことは精神衛生上好ましくないと述べましたが、友達や家族に話をしづらい場合、オンラインカウンセリングを活用することも一つの方法です。

うららか相談室のオンラインカウンセリングは、スマホを使ってカウンセリングを受けることができます。ビデオカウンセリング電話カウンセリングは自宅で安心して受けることができます。話すことが苦手という方は、LINEのようなチャット形式でやりとりができる、メッセージカウンセリングを利用してみてください。

答えや解決法を求めていない場合でも、不安な気持ちや困っていることなど何でもお話しください。

不安やストレスを一人で抱え込んでいる方へ

新型コロナ禍の不安やストレスを、カウンセラーと一緒に解消していきませんか?

オンラインカウンセリングのうららか相談室では、臨床心理士などの専門家に、どんな些細な悩みでも相談していただけます。

子どもへの対処


コロナへの対応として休校措置が取られ、子どもがいる家庭にとっては、育児の悩みや不安がさらに大きいのではないかと想像できます。

自宅待機や外出自粛は、ウィルス感染から子どもの身を守ることに効果があるでしょう。しかし、新型コロナウイルスのニュースが溢れ、制限された生活が長引くことは、子どもにとっては大人以上にストレスになっているはずです。


子どもが不安そうにしていたり、イライラして物に当たることが増えていませんか?

そのような姿を見ると、心配になったり、注意したくなりますが、行動を指摘するのではなく、「お母さんもそんな気持ちになることあるよ」など、まずは子どもの気持ちを受け止めてみましょう。子どもは自分の気持ちをわかってもらえることで安心します。


10代の子どもは、わかっていても大人と同じように行動できない場合も多いかもしれません。

「遊びに行ってはダメ!」と一方的に言われると、言われた内容よりも、押し付けられ感に反発しがちです。

場合によっては、子どもの方が広く情報を知っていることもあります。

この機会に、新型コロナウイルスについて親子で情報を交換・共有し、お互いにどのように行動したらいいか、話し合ってみてはどうでしょうか。

大人からすると思慮が足りないような反応でも、まずは、子どもなりに考えたことを受け止め、それから大人の考えを伝えるとよいでしょう。


> 子どもへのストレス・イライラについて相談できるカウンセラーはこちら


まとめ


テレワークが推奨され、学校は休校になり、自粛要請が長期化し、家族が家にいる時間が飛躍的に長くなりました。

普段なら、日中はそれぞれが別々の場所で活動し、家族以外の人と会話をしたり、発散する場所を持つことができ、それが心理的にほどよい距離感を保っていたかもしれません。


仕事をする環境が整っていない家では、在宅勤務がストレスに感じることでしょう。家族の食事を三食作るために買い物が増えたり、その分洗い物も増えたりと、家事労働や育児の負担も大きくなっているのではないでしょうか。


在宅勤務、自粛要請、雇用の不安など、ストレスを抱えた大人がうまく対処できず、その矛先が子どもや家族に向かうことを懸念する声もあります。


感染症を正しく怖がることは予防の観点でとても大事なことですが、怖がりすぎると精神に影響が出てきてしまいます。肩の力を抜いて、冷静に考えられているかどうか、時々自分を見つめ直す時間を作ってみてください。

コロナウイルスが無くなっても、また将来、新たな感染症が出てくるでしょう。コロナがなくなることに期待するのではなく、感染症がある中でこれから私たち一人一人がどう生きていくのか、見直す機会にしてみませんか。


有用な新型コロナウイルス関連のリンク

新型コロナウイルスの対応が心に与える影響についての、有用な資料をご紹介します。

もっと詳しく知りたいという方は、以下のリンクも参考にしてみてください。


(関連リンク)

・日本赤十字社「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」

http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200326_006124.html


不安や差別という観点を盛り込んでおり、正しく怖がることに役立つ資料です。

イラスト付きなので、家にいる子ども達と話し合う機会にもなるように思います。


・日本赤十字社「感染症流行期にこころの健康を保つために」

http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200327_006138.html


隔離されている人・その周りにいる人・高齢者や基礎疾患のある人という3つのタイプに応じた心のケアが書かれています。「 隔離や自宅待機されている方の周りにいるあなたへ 」では、隔離期間中の人に心ない言葉で形容するのをやめようなど、気づかされる言葉が書かれています。


・日本ストレスマネジメント学会「新型コロナウイルスを心配している子どもや若者の支援ガイド(日本ストレジマネジメント学会)」

https://plaza.umin.ac.jp/jssm-since2002/2020/03/30/info1-2/


子どもの年代別に、今回の状況に対する具体的な説明方法や不安の取り除き方が書いてあります。声かけの例もたくさん載っているので、どう声をかけたら良いかわからない親御さんはぜひ見てみてください。


・うららか相談室「「コロナうつ」にならないために 心に起こる問題と対処法を知ろう」

https://www.uraraka-soudan.com/column/36


こちらはうららか相談室のコラムです。コロナによる疲れが深刻になると、うつの症状が出てきてしまう可能性があります。うつにならないための予防策をまとめましたので、ぜひご覧ください。

このコラムを書いた人
臨床心理士・公認心理師
精神科クリニック併設のカウンセリングセンターに20年間勤務し、小学生から80代まで幅広い悩みの相談業務や心理検査に対応してきた。現在はカウンセリングオフィスを開業し個人カウンセリングを行っているほか、若者就労支援の心理相談員として従事している。
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